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本日は長年お世話になっている業界の重鎮であり尊敬する大先輩でもある大場弘先生の新刊、【徒手医学療法 ー 経験論的現象から臨床科学へ ー】を、僭越ながらご紹介させていただきます。
光栄にも、当書の中で私の仙腸関節理論を一部ご紹介くださっている関係で、大場先生からご恵贈賜りました。
数ページに渡る引用に加えご配慮まで、大変身に余る思いです。
本書は大場先生が半世紀に渡り培ってこられた「身体呼吸療法」に関する集大成ともいうべき大著。
そして勝手に副題を付け加えさせていただくならば、「大場徒手医学総論」です。
もちろんこれは私が「そう感じた」という話であって、大場先生がその意図を持って著したものかどうかは分かりません。
実際本書には臨床に即した実践的な「技法」も数多く収められており、解剖学や筋膜に関する最新の知見やご専門である神経学的理論もかなり詳細に解説されていますから、勝手に「総論」と括ってしまうのは失礼にあたるかもしれません。
またその他にも野口整体、ロルフィング、アナトミートレイン、テンセグリティ、頭蓋療法、場の思想などなど、内容は多岐にわたり、分野横断的に深く踏み込んだ解説がなされています。
それぞれの中身についてここでは触れませんが、私は特に、静脈還流とファシアと「呼吸」の関係について貴重な示唆を頂きました。
矛盾するようですが、実は各論としても十分優れているのです。
しかしそれでも、これは総論だと思う。
ここで取り上げられている各論は、それぞれが独立した理論であるように見えます。
しかしこれら一見脈絡のない各論が、読み進めていくうちに「身体の呼吸」という概念によって統合されていくのです。
その様はまるで「ドキュメンタリー・ノベル」を読んでいるかのよう。
これは私の個人的な意見ですが、日本の徒手療法界にとって本当に必要なテキストとは、こうして全体像を網羅した総論だろうと思っています。
我々の業界は各論で溢れています。
単に「技術論」といった方が正確かもしれません。
私から見ると、それらは「総論のない各論」であって、そこから全体像は見えてきません。
総論とは身体観や健康観ですから、施術の目的や方向性を示すものです。
山ほど各論を収集したにも関わらず迷子になっている、そういう施術者、きっと多いと思う。
そもそも我々は何者で、どのような身体観、健康観に基づき、なにをするものなのか?それをもっと明確にする必要があるのです。
それが我々の存在意義であり、独自性だと思うからです。
大場先生は、本書で見事にそれを示されました。
これが私の仕事であり社会での役割であると明確に規定できるもの、みなさんにもありますか?
私にはあります。
もしなければ、そのヒントとして、このテキストをお勧めします。


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