また雪。今日も大雪の予報。やれやれ。
これでは仕事になりませんね。
みなさん、安全のため、なるべく不要な外出はお控えください(カイロは不要か?)。
さて、前回の続き。
先日UCCの講義で僕が「ストレートネックという概念は怪しい」と言ったことに対する学生の反論を要約すると、「お医者様がストレートネックは頚部の問題や頭痛の原因などになると言っているんだから、そうに違いない」というものです。
しかし残念ながら、今回検索した限りでは、そうしたもの(正式な論文)は見つけられませんでした(検索の仕方が悪かったのかもしれませんけど)。ネット検索(普通の)に引っかかるのは、主に同業者のものばかり。
そんな中でも、ストレートネックと頭痛などの相関を示す統計はいくつか散見されました。
その統計を見る限り、確かにそれらの間に相関は有りそうにも見えます。しかし、その先の症状につながる機序に関する論拠は特に見当たりませんでした。ま、この辺りのことはあまり批判できる立場ではありませんけど(笑)。
ある開業神経内科医の先生が、ご自身のサイトで、頭痛とストレートネックに関する独自の見解をかなりのボリュームを割いて解説されています。
ざっと目を通しただけですが、現在、いわゆる権威あるお医者様はその説に否定的なようです。やはり根拠が不足しているのでしょうか?
このように、どちらかというと、お医者様はそんなことは言っていないみたいですな。
そうした方々から見れば、このようなやり取りそのものがまさに愚の骨頂。まるで無意味(笑)。
でもいいじゃないか。基本的に、もともと医者から見たらバカげたことを真剣に考えているんだから、オレたちは(笑)。
先日伝えたかったのは、ストレートネックいうのは単に現象であって(撮影時の要素も強い)、それそのものが単独で症状の原因となるわけではない、ということです。そして、臨床的に見て、頚部の問題の多くは二次的な問題であり、頚部以下の問題が解消されることで半減してしまう。また逆に言えば、頚部以下の問題を解消せずに頚部の問題が解消されることはない、ということです。そしてそれには再現性がある(←我々にとってはこれが重要)。
世の中には、いろんな主張があって当然です。
でも、主張をするなら、それに対して自分の言葉でできるだけ論理的に説明できないといけません。「あの人がこう言っていたから」、だけではダメ。
なぜなら、そこで議論が終わってしまうでしょ。それではこっちがつまらないでしょ。
なので、異論反論大歓迎ですが、今後そういうのはナシの方向で。もうみなさん立派な大人なんですから(笑)。
とにかく、僕の話す内容も含めて、一度疑ってみる、ということが大事なのです。
僕なんかでも、論文など書くときは、いろんな角度から反証しながら書くものです。でないと、自分が恥をかくだけですから。
で、結論。結局ストレートネックのことはまだ分からないのですが、その「まだ分からない」という感覚が大事なんだと思うんです。
ストレートネックって何?というところから始めて、自分なりに納得するまで調べてみる。どちらに転んでも、納得できる頃にはそれなりの知識も身に付いているはずで、自分の言葉で他者に伝えられるようになっているはずです。
で、次にストレートネックについて意見する人がいたとしたら、自分の知識と照らし合わせて、疑問があればぶつけてみる。
そうすることで、さらに知識は上積みされていくのです。
なんでも簡単に受け入れてはいけません。
仙腸関節の話もね(笑)。
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