毎年この時期は同じことを書いているような気もするけど、今年もやっぱり書く。
なぜ、日本の多くのカイロプラクター、その他の徒手療法家は、徒手医学会に参加しないのだろう?
これほど素晴らしい学術大会が開催されているというのに、そこに参加する人数は、とても多いとは言えない。いや、むしろ少ない。
これだけ身の回りにたくさんのカイロや整体の看板を見かけるというのに・・・。
何度も書いていると思うけれど、この学会に参加するのに資格や基準はない。
参加の意思さえ示せば、そして決して高額ではない参加費さえ支払えば、だれでも自由に参加できるのである。
本当に残念でならないが、身近なところで言っても、これまで10年以上学会に関わっているけど、山梨で開業しています、という方には一度もお会いしたことがない。
来年にはこうしたことを書かずに済むように、今回も強調しておくことにする。
学会には、参加すべきである! 絶対にその価値がある!
さてと、一通りぼやいたところで学術大会のご報告を。なるべく簡潔に。
今回は自分自身の発表があったので、まずはそのことから。
今回ぼくは「仙腸関節矯正が頚部伸展可動域に与える影響」と題して研究発表を行ってきた(学会発表も、もう7回目になる)。
これは仙腸関節矯正前後で頚部の伸展角度がどの程度拡大するかということを角度計を用いて定量的に検討したもので、結果的には良い結果が得られた、ということを報告してきた。
まあまあ良い反応だったのではないかと思う。たぶん。
自分のことはこれくらいにして、とにかく、学術大会は毎回学ぶことが豊富にある。本当に、その会場に行くだけでも勉強になることがいくらでもある。
学会は、セミナーとは全く違う学びの場であると思っている。
本当はこういう言い方はしたくないのだけど、これだけの内容を別々のセミナーとして受講しようとしたら、一体いくら掛かるのだろう、というほど内容が濃い、といえば、少しは伝わるのだろうか?
基調講演、特別講演はそれぞれ、「ドイツのクナイプ自然療法にみる健康法」鏡森定信先生(富山大学名誉教授)、「トラウマの解放から前世療法まで ~潜在意識への催眠療法によるアプローチ~」湯浅素広先生(ゆあさメンタルクリニック)。
ワークショップは、「椎間孔内神経障害に対する手技アプローチ」伊藤彰洋先生(伊藤カイロプラクティックオフィス)、「姿勢制御における顎口腔系の役割」幸田秀樹先生(幸田歯科医院)。
パネルディスカッションとして、「繊維筋痛症のアプローチ」パネラーは大場弘先生(大場徒手医学研究所)、藤永洋先生(富山県立中央病院 内科和漢・リウマチ科)、湯浅素広先生(ゆあさメンタルクリニック)。
その他一般講演が10題と、2日間、みっちりと最新の知見に触れることが出来るのだから、我々にとって、これ以上の学びの場が他にあるとは思えない。
さて、今回ぼくが楽しみにしていたのは、ワークショップ。
伊藤先生の機能神経学に基づくアプローチは昨年からの流れもあり、非常に勉強になりました。
椎間孔における神経障害の鑑別法に関する基礎的な解剖学、神経生理学に則した講演は、臨床的に大変有用な情報にあふれたもので、この講演だけでも金沢へ足を運ぶ意義が十分あるものでした。
幸田先生の講演は以前から機会があれば一度お聞きしたいと思っていたものなので、今回はそれが叶い、内容的には期待以上、そのユニークなお人柄にあふれたトークにすっかり引き込まれてしまいました。
また機会を見つけて是非拝聴させていただきたいものです。
その他特別講演、基調講演、パネルディスカッションと、どれも素晴らしいもので、ここに書き始めると昨年の二の舞になりかねないので、割愛。
そして、やはり学会最大の魅力は、他の先生方との交流。
学術大会会場には、本当に素晴らしい先生方が大勢いらっしゃいます。
少し会話を交わすだけで、非常に大きな刺激となります。
自分自身の至らなさ、不勉強さが白日の下にさらされる、そんな気分になる。
しかし同時に、こうあらねばならない、という大きな決意ともなるのです。
そして、来年までの一年間、少しでも追いつこうと頑張る。
しかし、来年また同じように思う。
その繰り返し。
でも、その繰り返しが、成長につながるはず。
学会は、本当に素晴らしい!
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