異常ってどういうことですか?
みなさんも、ちょっとお考えください。
ぼくは基本的に、仙腸関節の講義をするときには「正常」を語ります。
誤解を恐れずに言えば、正常以外、何を語ればいいのかもよく分かりません。
病理的問題以外、厳密な意味での「仙腸関節の異常」なんてものはほとんどないのではないか、とも思っています(特に我々のところへ来られるようなものは)。
もちろんいわゆる「異常」もあるはずですが、それは「正常以外」の全てを指すわけで、その無限にある異常の一つ一つを規定していくことなど非現実的ですし、膨大にある異常の中の one of them を語ったところで意味などないように思うのです。
逆に異常が数パターンしかない、なんていうのも考えてみればおかしな話です。
ところが一般的な仙腸関節の講義では、「異常」が講義のメインです。
腸骨の変位がどう、仙骨の変位がどうなど、まず異常ありきで講義が進みます。
ここでちょっと話を変えて、徒手療法で扱える問題というものを逆説的に考えてみると、「徒手療法で改善可能な問題」でしかありません。
そういったものの多くは、それ以上事態を悪化させないための警告として痛みを発している、というのが問題の本質であったりします(もちろんすべてがそれ、というわけではありません)。
だから治るのです。
そして、それらは決して正常な機能からの逸脱などではなくて、正常な防御的反応であると考えるべきものです。
つまり、異常ではありません。
仮にこれまで語られてきたような問題を異常だと仮定しても、正常を知らずして判断も施術もできないはずなのです。
なぜなら、異常とはどう解釈しても「正常ではない」ということでしかないのですから。
はい、ここでお約束。↓
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