12月6日開講 仙腸関節塾第2期、参加者募集中です。
仙腸関節が正常に機能している状態とは、「常に動いている状態」だと考えます。
絶えず動き続ける。
これは意識的に動かしている、ということとは違います。
じっとしている時や寝ている時にも「間断なく動き続けている」という意味です。
つまり大きな負荷がかかっている時のみではなくて、微細な力でも動くことが出来る状態を理想としているのです。
私が臨床で仙腸関節が硬いと感じるのは「可動域が狭い」ときではなくて、この微細な動きが弱いときです。
どちらかというと、可動域はあまり重視していません。
関節は可動部位なので、多少硬くとも大きな力を掛ければ動くものです。
歪みがあったとしても、ある程度の力で修正すれば変位は改善されるでしょう。
またそれで症状が治まることも少なくありません。
しかしその維持となると、それだけでは不足であろうと「感じて」います(本当はどうなのかは知りません)。
変位が大きいほどその動きは制限されるのが仙腸関節の特徴です。
例えて言うなら、遊具のシーソーです。
シーソーの支点が地上から離れるほどその動きは大きなものとなり、反対にそれが近ければ小さくなりますね。
シーソーの動きが大きくなるということは、傾きが大きくなるということです。
すると加重の移動も大きくなりますから、重心も大きく移動します。
大きく傾いた分だけ元に戻すための必要エネルギーも大きくなります。
つまり変位が大きくなればなるほど、元には戻りにくくなるのです。
したがって、動きが硬いからといって、大きな力を用いて可動域を拡大させるような矯正は逆効果になることがあります。
可動域が大きければ大きいほど変位は大きくなり、同時に元に戻りにくくなってしまう可能性があるからです。
これが固定化のもとにあるとみています。
構造的にみれば明らかなように、もともと仙腸関節の可動域など知れたものです。
多くの問題は、負荷のかたよりによって靭帯など軟部組織に継続的な負荷が加わり、伸長されることに起因します。
するとより傾きは大きくなりますから、元に戻すためにはより大きな重心移動とエネルギーが必要です。
もともと癖を持っているうえに、あまり無駄なエネルギーを使いたくありませんから、そのままの状態が継続されます。
ますます軟部組織にはかたよった負荷が加わり、悪循環が始まって、最後はそれが固定されてしまいます。
それを改善するためには、荷重の自由な移動を促進させてあげる事。
関節に圧をかけて傾きを修整してあげる事。
これらにはやはり荷重を用いた矯正である「座位矯正」が最適だと自負しています。
そして欲を言えば、微細な力でも常に動き続けられる状態へと誘導していく事も必要です。
その微細な動きの原動力となるものが、内圧の変化です。
その意味で私は、今現在自分自身が感じられる最小の動きであるCSFの循環動態を指標としているのです。
仙腸関節が絶えず動き続け、自由であるようにと。
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