購読している週刊誌アエラの最新号、福岡伸一さんのコラムに面白い記事があったので、紹介します。
「発見を妨げる最大の要因は無知であることではない。むしろ知識が発見を妨げる」(米国の歴史家ダニエル・ブーアスティンの言葉)
これはロックフェラー大学のブルース・マーキュリアン教授のオフィスに大きく掲げられている標語だそうです。
かつて、遺伝情報の伝達には20種類のアミノ酸の複雑な配列の組み合わせが関わると考えるのが「常識」だった時代に、たった4種類の塩基配列の組み合わせであるDNAが遺伝物質の本体であると主張したロックフェラー大のオズワルド・エイブリー教授は、強い非難にさらされたそうです。
結果的にそれは証明され、20世紀最大の発見となるDNAの二重らせん構造の解明に繋がったわけです。
マーキュリアン教授は、エイブリーを最も強く批判した教授の弟子にあたり、自戒の意味でその言葉を掲げているのだそうです。
「知識が発見を妨げる」
深い言葉です。
もちろん知識は必要ですが、気を付けないといけないのは、変な知識を「常識」として振りかざしてしまうこと。特に我々の業界ではね(笑)。
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