急性も慢性も

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先日、「8年間頚部の痛みが全く取れない」という患者さんが来られました。

24時間、「常に痛い」のだそうです。

8年前のレジャー中、頭部から真っ逆さまに転倒した衝撃で第6頸椎を骨折し、それ以来頚部のひどい痛みが残存しています。

骨折は左の椎弓部で、直後は左上肢全体の痺れに加え、右肩関節が1年半まったく挙上できない状態が続いたそうです(現在は改善)。

一歩間違えば命に関わり、半身不随でも不思議ではないほどの大事故ですから、これでも不幸中の幸いです。

とはいえ、8年間痛みと共に過ごすというのは、かなり大きなストレスだったろうと想像します。

 

現在の症状は、継続的な右頚部の自発痛と運動時痛。

運動制限はほぼ全域にありますが、前後屈と右回旋に顕著。

夜間も痛みがあり熟睡できない、という深刻なもの。

 

いつも通りの検査を行うと、左右差はかなり大きく荷重の偏りも強い、オーソドックスな「右利きタイプ」。

頚部痛が出やすい典型的なパターンでした。

仙腸関節にチャレンジを加えると、自発痛、運動制限とも大幅に軽減。

その後の調整でも、大きな改善が認められました。

結果的に、仙腸関節と深くかかわるいつもの頚部痛だったわけです。

 

当然ですが、8年前の受傷直後は骨折の治療を優先しなければいけませんので、その際に仙腸関節云々などというつもりはありません。

しかし推測するに、8年前の骨折癒合時にはすでに同様の状態にあり、そのとき適切に対処していたら、8年間もつらい痛みに苦しむことはなかったのではないかと思います。

 

今回は頸椎骨折という特別なケースでしたが、私は基本的に、(禁忌を除いては)急性症状でも慢性症状でも、やることは一緒です。

炎症があるとかないとか、そういうことはあまり気にしません。

気にするのは、その症状が仙腸関節に関係するものかどうか、そこに問題があるかどうか、それだけ。

そして実際に「関係も問題もあることが多い」という、ただそれだけのこと。

 

急性か慢性かは、ただその言葉通り、期間を表すものでしかないと思っています。

当然、対処は早い方がいいに決まっているのです。

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