やっぱり理想は「寝れば治る」ということだよね。
非正統医療に従事する者は、ただ単に「症状が改善されればいいんだ」というのとは別の視点で、それぞれに独自の健康観、身体観を持っているものと思う。
そうした健康観や身体観は施術者自身にとっての「究極の目指すべきゴール」のようなもので、それを座標軸としているからこそ、様々な状況においてぶれない思考、ぶれない対応が可能になる(もちろん日々迷いもあるのだけど)。
ぼくの場合のそれは、やはり「寝ることでゆがみがリセットされる身体」ではないかと思っている。
運動器系の左右差は正常な機能であって、身体のゆがみはそうした正常機能と荷重の偏りの延長線上にある、ということを前提として考えると、骨盤や脊柱など身体の中心に位置する関節のゆがみを自分自身で矯正するのは簡単ではない。自分では思い通りに(左右対称に)動かしているつもりでも、細かく見ると動きはかなり非対称的だから。
ストレッチにしろ柔軟体操にしろ、関節の可動域を改善してゆがみを自己矯正しようとしても、もともと非対称に動いてしまう関節を運動によって対称に戻すというのは実は難しい。
また正しい姿勢というものを考えてみても、意識的に左右の下肢や坐骨に加わる上体荷重を均等に保つことなど、おそらく不可能。そんなものまでコントロールしようとしたら、他のことなど手につかないくらい集中しなければならないだろうから。
このような理由で、本人の努力でゆがまない身体を作る、あるいはゆがみを矯正する、ということは想像するより遥かに難しいことだとぼくは考えているのです。
こういう書き方をすると「身体のゆがみはカイロでないと治せない」と言いたいのだろうと思われそうですが、そうでなく、そんなのは寝てれば勝手に治っちゃうんだよ、というのがよい。ま、結局なんらかの介入が必要になるんだろうけど(笑)。
そんな理想的なコンディションには、かなり多くの要素がからんでくる。
大まかなところで仙腸関節、頭蓋骨(CSF)、内臓、左右脳のバランス、自律神経系などなど。高度な技術も必要となる。
だからこそ、施術者としては目指す価値がある。
一晩寝たら、朝にはリセットされる身体、理想ですねぇ。
でも、そういうマットレスや枕、という話ではないよ(笑)。
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