受動でも能動でもない

昨年は一年を通して生活を含めた部分で変化の多い年でした。

今もその流れは一部で続いていて、それも来月頭には概ね片が付きそうです。

一方で仕事(施術)に関しては、今年は年初から新たな気付きがあり、これは多少の変化ではありますが、進化であると同時に回帰でもあると感じています。

簡単に言えば、自分自身の行っている施術の本質を再認識したというところでしょうか。

施術をする側も受ける側も、身体の不調の原因に対してなんらかの積極的介入をはかっていると考えてしまうものです。

そしてその意識が強まるほど、能動的なアプローチは増していくことになります。

そしてそれは、往々にして、術者側から患者へ向けた、主に「意識」に対するアプローチに他ならないと感じています。

つまり、少しひねくれた表現をすれば、「あなたの身体のここがこんなに悪いので、そこを私の技術で改善していますよ」ということのアピール的な意味合いが主であると思うのです。

患者側は患者側で、そうした能動的なアプローチを好む傾向にあります。

これらはお互いに、「分かりやすい施術」であると言っていいかと思います。

これは私自身の体験談に基づく印象なのですが、そうした能動的なアプローチでないと患者さんに理解されないんではないかという不安がその根底にはあるのです。

独立までに私自身が身に付け、学んできた方法論はむしろこの反対で、身体に対する受動的なアプローチであると理解していました。

患者さんの身体に触れ、その内側の動きに身を任せることで、患者自身が変化していくのを待つという方法で、これらは「間接法」と呼ばれたりします。

こうした手法はそれを見ていても、受けていても何をしているか分かりません。

それを「気功」だとか「ハンドパワー(笑)」だとかと勘違いされるのがとても嫌で、能動的な方法も織り交ぜていたという経緯があるのです。

それが今年に入りふと、いや、これは受動的なだけではないぞ、と気づき、それをきっかけとして、何か吹っ切れたところがあるのです。

私の患者に対するアプローチは受動的なわけではなく、能動的でもない、また受動的であり能動的でもある・・・。

これをあえて言うなら、「自然体」かな?

受動的だとか能動的だとか、分からない人にはさっぱりわからないだろうし、私自身ももはや受動的だろうが能動的だろうが自然体だろうがどっちでもいいのですが、年初から何となくさっぱりとした心持で施術に取り組めているということを、ひとまず書いておこうと思ったのです。

一つ言えるのは、我々のような立場で大事なのは、言葉で理解させること以前に、結果で納得してもらうことですからね。

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