本日、お堅いご職業の体調がすこぶる悪い患者さんを施術しているときにふと、あ、この施術って、無意識を元気にすることなんだな、と思った。
その方は非常に聡明であり、理知的であり、論理的であり、おそらく自制心も相当に強い方であるとお見受けする。
そうしたタイプの方は、とかく意識的にご自身をコントロールしていることが多い。
要するに生真面目なのである。
人には様々な欲求があり、意識下にそれらを上手にコントロールしながら社会に身を置いている。
しかしながら、意識ですべてをコントロールできるわけではない。
自律神経系などはその最たるもので、無意識下で働くから「自律」なのである。
徒手的なアプローチでは、自律神経の働きそのものに介入することはできない。
しかし同じように自律的支配を受ける領域へのアプローチは可能である。
それがいわゆる脳脊髄液(CSF)の循環動態に関わる領域である。
その生真面目な方は、当然のようにCSFの循環動態に問題がある。
意識が無意識を抑え込んでしまっているように見受けられるのである。
そのCSFの循環動態を改善させることは、無意識の活きを改善させること。
そして人の治癒力とは、全て無意識によるもの。
無意識の活きが元気になれば、身体は勝手に元気になる。
意識にできることなんて、無意識に任せることくらいしかない。
ただ生きる、という点で言えば、人は意識よりも無意識の方がよほど大事なんだろうね。
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