ゆらぎ3

昨日の続き。仙腸関節の安定性についてです。

昨日は仙腸関節が中間位にある時には、シーソーのように不安定にゆらいでいると書きました。

では、シーソーが安定している状態とは、どのような状態でしょう?

シーソーの左右の力の均衡が大きく崩れると、片側に傾き最後は接地して、シーソーは停止します。シーソーの一端から地面へと向かう力(作用)と地面からシーソーへ返ってくる力(反作用)とがその接点でぶつかり合って、シーソーは固定され、安定します。

これがシーソーの安定状態(良い子のみんな。ゆらゆらしているシーソーにいきなり一人で座るとケツを痛めるぞ)。

仙腸関節もこのような状況(荷重が片側に偏り関節可動域の限界に達する状態)にあるとき、安定しています。

この状態を再び車のシフトに例えると、ギヤが入っている状態、ということになるかと思います。

仙腸関節はこの時、片側に荷重が伝わり、下肢からの筋力の伝達を受けます。仙腸関節のギヤが噛んでいる状態、と言ってもいいかもしれません。

でもこの時の左右のバランスは、最大限に乱れた状態です。

もしこの状態で関節が固定され続けると、問題が起こります。ギヤが一速に入ったままで車を走らせ続けるようなものです。

しかし一方で、この状態が不安定でもそれはまた困るわけです。ギヤがしっかり噛まないとか、簡単に抜けてしまっては動力は正しく伝わりません。仙腸関節であれば身体が支えられなくなったり、下肢の力が体幹に伝わらなくなってしまいます。

固定されっぱなしも問題ですが、スカスカもまた問題です。正常な機能、という点で考えれば、スカスカの方が問題でしょう。

機能的には、固定される必要性がある。この状態で勝手に振る舞われると困るので、自由は制限されます。

ニュートラルな状態は自由で不安定であると書きましたが、この状態は、不自由に安定している状態である、とも言えそうですね。

ここまでをまとめると、仙腸関節は左右のバランスが均等に近いほど不安定で、それが崩れると安定していく、ということです。

・・・意外と長くかかるなぁ(笑)。いつまで続くんだ?

続きはまた次回に。

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