次男が通学に使用しているジョルノのヘッドライトが危険なほど暗いので、いよいよLED化することにしました。
実は購入時から気になりつつ放置していた問題。
しかしさすがの暗さに昨年末くらいからやろうやろうと少しずつ準備はしていたものの、予想される面倒な作業になかなか踏ん切りがつかず、半年。
ようやく(渋々)取り掛かりました。
ということで、そんな面倒な作業の記録です(壮絶なのでやや長め)。
写真では分かりにくいかと思いますが、暗いんです。
暗い田舎の夜道では、車道の端を歩く歩行者に直前まで気付かないこともあります。
本当に危険。
バルブはいろいろと試しましたが、解決せず。
バルブのみ交流対応のLEDに交換するのが一番手っ取り早いのですが、サイズ的にムリ。
考えた末、ヘッドライトユニットごと交換することにしました(もちろん要加工)。
購入したのはこれ↓。
アマゾンで。https://www.amazon.co.jp/dp/B06ZZ9KY94/
このままでは取り付けできないので、純正のヘッドライト(スペア)を加工します。
まずはスペアをばらします。
必要なのは下の赤丸部分なので、リフレクターの枠だけ残してカット。
購入したヘッドライトユニットの方も分解して、この枠に合うようにリフレクターの外周を削ります。
この右側の淵を削ってサイズを小さくします。
加工はそれだけではなくて、LEDを点灯させるには電流と電圧を一定に保つドライバーユニットが必要なのですが、それがこのヘッドライトの場合、下の画像の赤丸の中に格納されています。
ここは熱を逃がすヒートシンクも兼ねていて、機能上必要なのですが、ヘッドライト裏のスペースに収まらないので短くカット。
物理的に収まらなくなったドライバーユニットは配線を延長して、本体と分離。
先ほどの枠と本体が合体して下のようになりました。
ドライバーユニットを別体としたことで大きなサイズダウンになりますし、取り付けの自由度も増します。
ね、ここまででもいろいろと面倒でしょ(笑)。
でも大変なのはここから。
これをポンと交換!ではなくて、今度は電気系の変更作業。
ジョルノのヘッドライトの電源は交流です。
この電力はバッテリーからではなく、ジェネレーター(発電機)から直接交流のまま供給されます。
そしてLEDの電源は通常、直流です。
交流では点灯しません。
じゃあバッテリーに直接つないじゃえばいいじゃん、と思うかもしれませんが、それでは簡単にバッテリーが上がります。
どうするかというと、ジェネレーターの配線を加工して、発電量をupさせるのです(全波整流化)。
難しいことは分かりませんが(笑)、ざっくり言うと、ジェネレーターで作られる電力はそのままでは交流、つまりプラスとマイナスが交互に入れ替わる発電方式なので、マイナス側の電気を「捨てて」プラスのみで「直流を作って」います(半波整流)。
しかも発電されたすべての電気が直流化されるわけではなくて、一部は直流化前に比較的消費電力の大きいヘッドライトその他の電装系で利用され、その残りが直流化⇒バッテリー(蓄電)という流れです。
で、この捨てられていたマイナス側とヘッドライトなどで消費される分の電力をすべてひとまとめで直流化してしまおうというのが全波整流化の目的です。
・・・・・・多分そういうことです(笑)。
まずはステータコイルの配線加工から。
下の赤丸の部分の配線の接点をそれぞれ切断して、下のように新たなコードで繋ぎます。
この加工によって、捨てられていた半分の電力が活用されることになります。
こうして加工したステータコイルを既存のステータコイルと交換します。
何でも二つあると便利だね。
次は車両側の配線加工。
バッテリー近くのメインハーネスのカプラから、交流が流れていた黄色い端子を抜いて、新たなコード(黄色)で延長します。
上のカプラの黄色コードは本来、オートチョーク、テールランプ、ヘッドライト、メーター球へと電気を送る交流が流れるラインです。
そのラインを直接延長して、本来ここから供給されるはずの電装品をスルーして、この電力を直接レギュレータに送り込みます。
この黄色いコードをフロントフォークにあるレギュレータまで引っ張ります。
レギュレータに接続するカプラから黄色い端子を抜き、ジェネレーターから延長してきたコードをそこに接続します。
こうした配線加工も、後で元通りに戻せるように、元のコードは切断せずに、なるべく端子を使って加工しています。
ちなみに上の緑丸、これはレジスター(抵抗)の端子で、ここは全波整流時は外すのが基本だそうです。
※肝心なところを忘れていましたので追記※
純正のレギュレータは半波整流用の物なので、交換が必要。
やはりアマゾンで購入した全波整流対応品に交換します。
次っ!
これでジェネレーターからの電力は、すべてレギュレータまでダイレクトに送られることになります。
ということは、これまで途中で供給されていたヘッドライト等への電力供給が途絶えているということです。
せっかくLEDライトを用意したのに、このままでは点かないということ(笑)。
今度はそっちに電気を送るための配線加工です。
レギュレータ付近にある下の6極のカプラ、この黒コードはバッテリー経由の直流が流れるライン、黄色コードは元ジェネレーターからの交流ラインで、ヘッドライト、テールランプ、メーター球への電力供給ラインです。
なので、今は電気が流れません。
で、この黄色ラインに電気を流すために、黒いコードから電気をもらいます。
ここも後で戻すときのことを考えて、カプラのメス側(画像下)の黒・黄端子を抜いて、黒を二股に分岐させて元のカプラに戻しています。
ようするに、メス側の黒線の電力を、そのままオス側の黒線につなぐ途中で、黄色に分けてあげてその電力が元の黄色ラインの上下に伝わるように接続してあります。
これで、直流がヘッドライトなどに送られることになります。
次はいよいよヘッドライトの登場!
ヘッドライトの端子も、ばらしたスペアのヘッドライトのカプラを有効利用しつつ、先のことを考えてキボシで接続。
無事、違和感なく装着完了!
ドライバーユニットはヒートシンクに張り付けて(熱対策)、下の赤丸の部分に固定しました。
その他メーター球とテールランプもLEDバルブに交換。
まだ終わらない(笑)。
ホントに面倒でしょ?
交流電源が供給されていた電装品がもう一つ。オートチョークです。
ほとんど壊れてる、という噂もありますが、チョークが効かないと寒い日など厄介なので、対策しておきます。
オートチョークがダメならアナログなマニュアルチョークで(笑)。
用意したのはチョークケーブル、レバー、スペアを分解して取り出したチョークのニードルやバネ、そして塩ビ管の継ぎ手を加工して作ったキャップ。
これらをくっつけてこうします↓
マニュアルチョークの出来上がり!
オートチョークを外して。
付け替えます。
レバーはスイッチボックスの下に穴をあけ、タップを立ててビスで固定しました。
あまりにもナチュラルな仕上がり(笑)。
これでようやく全波整流、ヘッドライトのLED化はすべて完了!
いざ、エンジン始動。
アクセルを少し開けると、電圧は14.58V。
良いんじゃないでしょうか?
肝心の明るさはどうかというと。
これが↓
こうなりました↓
テールランプとメーターの明るさ(笑)。
試運転してみましたが、驚くほど、とまでは行きませんが、実用的には十分じゃないかと。
いや~、私的には、非常に壮絶な戦いでした。
もちろんここまで一日で出来たわけではなくて、ヘッドライトとステータコイルの加工やチョークの制作など、長期にわたるチャレンジでした。
なによりも、やる気になるまでに時間がかかりました(笑)。
実はこのヘッドライトユニットも二つ目です。
一つ目はLEDのドライバーユニットがなぜかダメになってしまって、過電流でLEDチップが焼けてしまい、私の心も真っ黒に焼けました(泣)。
気を取り直して再購入し、配線加工後の試験点灯で電圧をはかると突然急上昇。
理由は分かりませんが、このヘッドライトにはメインライトのほかにイカリング(エンジェルアイ?)がポジション球的についているのですが、その配線が短絡を起こしているのかなにかで悪さをしているようで、それを切断したら電圧が安定したので、いまのところ問題なく使えています。
でも、これだけの(個人的には)壮絶な戦いの割に、達成感は低いのです。
なぜなら、すぐに壊れそうな気がするから(笑)。
なんとか卒業まで持ってくれないかなぁ。
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