集塵機を自作

「鉄骨院」の異名を持つ作業場もだいぶ仕上がって居心地が良くなってくると、やはり気になるのは鉄粉や木くずなどの塵(ほとんどは粉塵)

集塵機、欲しい。

しかし買う気だけは満々だったその矢先に家庭用の掃除機が動かなくなりまして、屋外用よりも室内用が優先されるのは当然で、そちらを購入することになる。

で、壊れた方をとりあえずの屋外用にならないものかと修理を試みる。

モーターブラシの消耗くらいなら、と分解して調べてみると原因はどうやら基板の方らしく、修理は困難。

ちっ。

 

集塵機は欲しいが掃除機を買った直後だとなんか言われるかも、いや絶対言われるなと、もうちょっと我慢しようと思った小心者の目に飛び込んできたものは、摘出された掃除機のモーターであった(その他はとっとと廃棄)。

「おっ!これ使えるじゃん」ということで、軽~い出来心で集塵機を自作してみることとあいなった。

では、その過程を写真とともにどうぞ!

 

集塵機を作るのはいいが、その本体(吸引装置=掃除機)部分をどうするか?しばし悩む。

ケースを鉄板で作ろうかとも考えたのですが、それも大変そうだったのでなかなか手が付けられずにいたのです。

あれこれ考えながら、なにげなく保管していた125mmのビ管にモーターを合わせてみると、驚いたことにぴったりサイズ。

これしかない!と製作スタート。

そうと決まれば、塩ビ管を中心にパーツを検討しながら進めていきます。

吸引装置を作る場合、モーターの吸引力のロスを極力なくす構造が必要。

モーター側の排気をしっかりと確保しながら、吸気側にはその吸引力を逃がさない密閉した空間を作らなければなりません。

私が考えたのはモーターと吸気室の間に仕切りを作って、その仕切りで気密を取る作戦。

なんかいいものないかなぁとホームセンターをうろうろしていて見つけたのがコレ↓。

ポンプ関係のパーツのようですが、正確な使い方は知らない(笑)。

このままそっくり使うつもりでいたのですが、結局使ったのは真ん中のCDみたいなプレートの部分だけ。

こういうところが無駄な出費なんだよね。

でもそのプレートの外径が塩ビ管の内径とぴったり一致していたので、有効に活用できました。

この穴の向こうにモーター、こちら側に吸気室、という設計。

モーターとこのプレートとの隙間さえしっかり密閉できたら、モーターの吸引力が逃げることはなさそう。

プレートのこちら側にはモーターに粉塵が吸い込まれないようにフィルターがある方が良い。

で、そこで思いついたのはカブのエアクリーナー。

そっちもそろそろ交換時期だなと見てみたら、なんと、コネクタが裂けてました。

まぁ使うのは左側だけなので、結果オーライ(?)でそれをそのまま流用。

なんか計ったようにぴったり。

プレートの周りはしっかりコーキング。

さて、こうして出来たモーター部分を125mm用の継手の上側に挿入して、吸気室側(下側)には空の塩ビ管を嵌めて、上下にキャップで蓋をすれば吸引装置は出来上がり。

その前にキャップに穴をあけて雄ねじの継手を接着したり、モーター配線用の穴を開けておいたりします。

それぞれを組み込んで、結合。

吸引装置完成!

 

次は集塵ボックス。

こういうの「サイクロン集塵機」で検索かけるとたくさん出てきます。

モーター移植して作る人ほとんどいないけど(笑)。

ちょっとでも格好いい方がいいなぁと、ペール缶はアストロで購入(値段はどこでなにを買ってもだいたい一緒)。

詳しい作り方は検索してもらうとして、製作に使ったのは以下のようなもの。

ひと工夫したのは吸引されたゴミがペール缶に入る吸入口の形状。

少しでも缶の外周に沿うようにと、ヒートガンで温めて形を修正しました(上の写真の下の方にあるパイプ)。

これらを組み合わせていきます。

ここでも吸引力にロスが出ないように、コーキング材でしっかりと密閉して接着。

吸気口にはもう一つエアクリフィルター。

吸引された空気が渦を巻きやすいように、吸気口をパイプで延長。

さらにフィルター追加。

でもこんな目の粗いフィルターでは粉塵がみな吸い込まれてしまって、その先にあるエアクリフィルターも通過してモーター手前の吸気室まで到達していました。

ここのフィルター、一番大事かも。

その後、不織布やフェルトなどを重ねてモーターが過負荷にならない程度の抵抗を探りながらフィルターの改善をしています。

 

次は集塵ホース。

ホースはダイソンの社外品をチョイス。

とっとと捨ててしまった壊れた掃除機のホースを取っておけばよかったと後悔。

こういうところも無駄な出費な気がする。

このままでは使えないので、先端部分をカット。

両端に30mmの塩ビ管の継手をエア漏れがないようにしっかりと接着。

その先にはノズルや集塵ボックスと接続できるようにそれぞれ必要なパーツを結合

ノズルは用途によって使い分けられるように斜めにカットした30mmのパイプと、異形継手で16mmまで縮小した二種類を用意。

ノズルは今後、必要に応じて増えていくと思う。

 

次はフレーム。

フレームは簡単に木でいいか、とも思ったんですが(一瞬だけ)、やっぱり鉄だよね、ということで、鉄製のフレームを張り切って製作開始!

切ったり丸めたり溶接したり削ったり、すんごーくめんどくさいんだが、好きなんだよね、鉄が。

キャスターも付けて塗装。

ちょっとは悩むんだけど、結局色はいつでもなんにでも艶消し黒。

これが一番いい。

後はどんどん組み込んでいくだけ。

吸気側のホース

ペール缶を乗せて

蓋にホースを接続

 

スイッチのフレームを作って本体に装着

スピードコントローラ―トライアック)付ON/OFFスイッチで出力調整が可能

スイッチはこんな感じで装着

そして完成!!

実は軽~い気持ちで始めた集塵機づくりなんですが、材料を集めている過程で、「あれ?結構金掛かりそうだぞ」と気付く。

ほぼほぼパーツが揃ってきたところで、「おいっ!その辺で売ってる集塵機の値段軽く超えてるぞ」と呆然とする。

後に引けなくなり無駄にハイスペック、謎に頑丈な集塵機が出来ました!

では、よろしければ動画もどうぞ!

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