私が医療の世界に入ったのは、平成元年です。
仙腸関節と出会ったのもその頃です。
最初は解剖学の授業でしたが、AKAが注目され始めた時期でもあり、私はなぜか仙腸関節に興味を持ちました。
当時はインターネットなどありませんでしたから、情報源は主に書籍でした。
紆余曲折の末、カイロスクール(UCC)に入学したのが平成9年。
そこでの2年間で、仙腸関節への関心はすっかり薄れました。
さっぱり分からなくなったからです。
卒業後、講師として教壇に立つことになり、教えるのに困って再度仙腸関節を学び始めました。
当時の私はインターネットを使えませんでしたから、やはり書籍を読み漁るしか方法はありませんでした。
全てに目を通したかったのですが、お金がなかったので、書店(立ち読み)や国会図書館のお世話になりました。
その結果、「仙腸関節のことはまだ何も分かっていない」ということが分かりました。
誰もわかっていないんだから、何を読んでも誰に聞いても分かるはずはないと、とにかく自分が納得できるように考え始めたのもその頃です。
平成11年頃だと思います。
そこから自分のための「仙腸関節ノート」のようなものを作りました。
ノートと言っても、100均で買った100枚つづりの「落書き帳」でした。
思いついたことを書きなぐり、いらないページを切り取り、新たなアイデアをページごと挟み込むのに落書き帳が一番安くて便利だったのです。
何年も飽きずに考え続けて、最終的に3冊にまとまりました。
それが論文「仙腸関節」の原型です。
その時になってもまだPCが使えなかった私は、すべてが手書きでした。
そのままではどこにも提出できなかったので、仕方なくPCを覚え始めたのもその頃です。
半年以上かかって、ワードで入力し終えたのが平成15年頃だと思います。
およそ10年で、7本の論文を書きました。
修正と発見を繰り返しながら、今も思索を続けています。
こうして振り返ると、平成という時代は、私にとって仙腸関節と共に歩んだ30年でもありました。
今日から元号が令和に変わり、新たな時代のスタートです。
元号は変わりましたが、仙腸関節への向き合い方は変わりません。
令和も引き続き、共に歩んでいくことになると思います。
我ながらつくづく変わってるなぁとも思いますが(笑)、人生をかけて追い続ける対象を見つけられた私は、ラッキーだとも思っています。
平成に撒いた種が、令和に花開くとなおいいんですけど。
最後に、明仁上皇、30年間、ありがとうございました。
私は天皇陛下が大好きでした。
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