先週今週と、ユニバーサルカイロプラクティック・カレッジの学生は、卒業試験の真っ只中。私の担当するディバーシファイド・テクニックでは、毎年卒業試験はありません。理由は、時間がもったいないから。試験なんかいらない、と思っているわけではないけど、試験をするくらいなら講義に時間をかけたい、というか、そもそも時間が足りない。なので試験の代わりに、毎回レポートを書かせています。
レポートのテーマはいつも一緒で、「サブラクセーションとは何か?」と「脊椎矯正とは何か?」のどちらかについて考えを述べよ、というもの。重視するのは、カイロプラクターに対する説明ではなくて、誰にでも理解できる形でこれを説明しなさい、ということです。例えば、整形外科のドクターから納得する説明を求められた時に、どう答えるの?という感じ。これできますか?同業者のみなさん。
サブラクセーション(「矯正対象となる椎骨」といった意味を表すカイロ用語)の定義というのはかなり曖昧で、いまのところ、まるで科学的ではありません。現に、海外のカイロプラクターはサブラクセーションという概念を捨てつつあるようです。
今の時点でサブラクセーションとは何か?という問いに対する正しい答えなんかない、と僕は考えます。と同時に、カイロプラクターであるうちは一生考え続けなければならない課題でもあると思っています。
なにも「サブラクセーション」という単語にとらわれる必要はないんです。これはつまるところ、自分自身が何を行っているのか、というところにつながるわけです。
で、毎年この時期に学生のレポートを読むのはひそかな楽しみなのです。学生たちの多くは「難しい難しい」と言いながら、おそらくいろいろと考えた挙句に、何かの授業で習った通りのサブラクセーションで無難に仕上げてきますが(つまらん)、中には自分の頭でしっかりと考えてまとめたものがある。自分の考えが全然まとまっていないものもあるけど(笑)、それはそれで面白い。
大事なのは、「考えてみる」ということ。真剣に考えれば考えるほど、答えを出すのは容易ではない、ということが分かる。そして、また考えて、を繰り返す。
サブラクセーションとは何か?たかがそれだけのことなんだけれども、それを考えることでどれほど多くのことが学べるか、それは考えたことがある人にしか分からない。
僕などずーっと考えている。けど、一向に分らないのがサブラクセーション、なのです。
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