カタの壁

仙腸関節塾in東京 4月17日開講!
定員まで残り4名です。

 

先日「形」(「かた」の表記はこちらが一般的なようですね)の話を書きました。

今日はその続き。

整体にしろカイロにしろ、その多くは「形」として伝えられます。

最近少し興味を持っている整体術も、完全な「形」です。

なかなか効果的な技です(私が使っているわけではありません)。

技法も多彩で、率直なところ、カイロよりよほど実用的かもしれません。

以前から存在は知っていましたが、最近その効果を目の当たりにし、一時は軽く危機感を覚えたほどです(笑)。

むろん上達に多少の違いはあれど、ある程度の素養さえあれば技術の難易度はそれほど高くなく、おそらく誰がやっても同程度の効果は期待できるでしょう。

使い手は今後ますます増えていくだろうと予想しています(頑張らないと負けますよ)。

しかし当然、すべてに有効なはずもなく、「効かない」という壁がそこにも存在します。

手技療法を学ぶものであれば誰もがぶつかる壁です。

そこでむきになって同じ技を繰り返しても、あまり良い結果にはつながりません。

その壁を打ち破る力を「形」は備えていないのですから、その技が決まらなければ、もうそれまでです。

形とは本来、反復することで身体に覚えこませるものです。

しかしこれらの形はただのマニュアルですから、身体ではなく頭で覚えただけのものです。

強固な思想がある場合は別ですが、無効の場合は臨床での反復に価値はありませんから、多くは「あ、効かないや」と次なる技を模索します。

治療マニュアルという「形」の欠点が、そこにあります。

症状の変化をその指標とし、技法が多彩であるものほどその傾向は顕著です。

私の考案した矯正法も、「形」として使えば同じことです。

しかし私は「形」を教えるつもりなどありませんし、そう取られてしまうのは、はっきりと嫌です。

大事なのは、壁にぶつかった時に、そこで立ち止まって考え続けられるかどうかです。

つまり、その壁を乗り越えようと思えるかどうかです。

効果がないときは、立ち止まって考える機会なのです。

成長と発展への原動力は、そこからしか生まれません。

立ち返るべき理論があり、壁を乗り越えた時にそれは発展し、同時に形も進化(深化)する。

あるいはより効果的な形が考案された場合には、新たな理論の展開に繋がる。

そういう形(かたち)を私は理想としています。

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