マニュアルにはしたくない

私の考案した仙腸関節矯正(吉岡メソッド)は超簡単なので、分析から矯正まで、誰にでも出来ます。

おそらく見よう見まねでもある程度できてしまいますし、効果もそれなりに実感できるはずです。

しっかりと学べば、かなり高いレベルで再現可能な方法論であると思っています。

徒手療法には高度な感覚が要求される手技も多く、高額なセミナーに長年通い詰めても習得できない技術も少なくありませんが、このメソッドにはそれがありません。

こう書いてしまうと、これは「マニュアルだ」と思われるかもしれません。

確かに、分析から矯正まで、そこには一連のマニュアルがあります。

マニュアルとは標準化であり、余計な部分をそぎ落として、単純化、簡略化することでもあります。

だからこそ、誰にでも同じことが出来ると言えるのです。

こうした面も仙腸関節塾のセールスポイントの一つであるとは思っています。

しかし、私が仙腸関節塾で提供して(売って)いるものは、マニュアルではなく「理論」です。

誰にでも真似出来る方法論それ自体には、価値などないと思っているからです。

マニュアルには、「マニュアルで対応できないものには無力」という欠点があります。

それで対応できない問題に対しては、新たなマニュアルを探す、ということが、私を含め、徒手療法の世界では長い間繰り返されてきたように感じられます。

そこにはキリがありません。

それがいまの混沌とした、手技の乱立の背景にあるのではないかとも思えます。

私のメソッドもマニュアルだけが拡散し、数えきれないほどある骨盤矯正法の中の一つとして使い捨てられていくような末路を想像すると、それはそれで面白いのかもしれませんが、やはり少し残念。

それよりも理論が広がって、知らないところで勝手に議論されながら、否定されたり肯定されたり刷新されたりする未来を想像したほうが楽しい。

そのためには、理論をより正確に伝えていかなければなりません。

それは学会発表や論文発表だけでは無理なのです。

しかし理論を浸透させるには、それなりの時間と労力が必要。

だから地道にやるしかありません。

10年後20年後、仙腸関節を取り巻く状況はきっと変化しているはず。

私には、今ある理論がそのまま通用しているとは、到底思えないのです。

さて、一番早く真実にたどり着けるのは、だれかな?

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