仙腸関節塾に関する疑問にQ & A 方式で回答しています。
今回は、他の骨盤矯正とはどこが違うのですか?です。
Q:他の骨盤矯正とはどこが違うのですか?
A:理論方法論とも、他の骨盤矯正とは全く違います。
私には、同じところを見つけることすら困難なくらいです(笑)。
骨盤(仙腸関節)の矯正法など、世の中にはたくさんあります。
しかしその中に、吉岡メソッドと同じものは一つとしてありません。
他の矯正法との違いなど、理論、分析法、矯正法と、挙げはじめたらきりがないほどあります。
その中から一つ大きな違いを挙げるとするなら、その重要なキーワードは「荷重」です。
吉岡メソッドは荷重状態で問題を分析し、同じく荷重状態のまま、患者さんの荷重を活用して矯正します。
つまり日常生活そのままの状態で、検査、矯正が行われます。
現存する多くの骨盤矯正の検査法は、一般的には腹臥位(うつ伏せ)が基本です。
したがってほとんどのものが、荷重状態で現れる問題を、非荷重状態で分析しています。
一部荷重下での検査法もありますが、理論的な前提が異なるので結果の解釈もまるっきり違ってきます。
仙腸関節はそれを直接的に動かす筋が存在せず、しかも関節周囲は強靭な靭帯で補強され、容易に動かないような構造をしています。
解剖学的見地から「仙腸関節は不動関節である」とされる理由の一つが、献体の関節が強固に固定され、簡単には分離できないことをその根拠とされるほどです。
実際には動かし方次第なのですが、これを逆説的に見れば、仙腸関節が動くからこそ靭帯がその動きを抑制している、と考えたほうが合理的です。
動きのない関節に靭帯など必要ないのです。
つまり「靭帯がある」ということは、そのまま「動く」ということの証左なのです。
では、関節をまたぐ固有の筋を持たない仙腸関節の動きをコントロールしているのは何でしょうか?
それこそが「荷重」に他なりません。
仙腸関節は荷重移動に関連して、上体荷重を左右の下肢へと振り分けているのです。
少なくとも、荷重を無視して動くことなどありません。
そうでなければ、重力下で安定した動作などできないからです。
それがスムーズに出来ない状態は異常なのです。
いくら強靭な靭帯でも、正常な動きまで抑制してしまうようでは存在そのものが無意味になってしまいます。
ですから荷重移動は抑制されません。
つまりこの「荷重」のコントロールこそが、矯正の重要な要素となるのです。
一般的な矯正法は、非荷重状態で分析をし、非荷重状態で矯正をします。
仮にその状態で仙腸関節の「変位」が矯正されたとしても、それはあくまでも非荷重時の変化でしかありません。
実際に問題が起こるのは「荷重下」です。
荷重下での正常化を目指さなければ意味はありません。
それができる唯一の方法が、荷重状態で分析し、荷重を用いて矯正する「吉岡メソッド」なのです。
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