骨盤オタクの本棚、第二回目です。
今日は「第三の脳 ―皮膚から考える命、こころ、世界―」(傳田光洋著 朝日出版社)です。
著者の傳田さんは資生堂の研究者で、成り行きで皮膚の研究者になってしまったような方です。そんな経歴にも関わらず、皮膚に関する新たな発見を連発していく天性の科学者。すごい!
著者の主張はタイトルの通り、「皮膚は第三の脳であり、自ら思考し、情報を発する」というものです。全編を通して科学的根拠とともにご自身の論理を展開していくのですが、説得力があり、納得させられます。
後半では「ヒトはなぜ身体の毛を失ったのか」について三木成夫先生の顔の成り立ちを引き合いに出して仮説を展開し、さらには「非因果律」にまで踏み込んでいきながら、皮膚という限定されたテーマについて書かれていることを忘れてしまうほどドラマチックに結ばれます。
最後にはこの結論のために序論があったんだ、ということに気付かされて、あらためて序論が生きてきます。読後には、自然と皮膚の世界に引き込まれてしまうこと間違いなし。おすすめです。
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