座長の大役も終わり、いよいよ最後のプログラム。一般講演です。
演題は4題。
1. カイロプラクティック施術に伴う脳および骨格筋の糖代謝変化 [18F]FDG PET 研究 稲見暁惠先生
2. 足の構造・機能と皮膚疾患の関わり 安達智江先生
3. バイタルリアクターを用いての施術評価の試み 今村優汰君
4. 筋硬度に及ぼす股関節マイクロ牽引法の効果 中川達雄先生
まず東北大学サイクロトロン核医学研究部に籍を置く優秀なカイロプラクターである稲見先生の発表。・・・ですが、実は聞けていません。ちょうど山本先生が帰られる時間と重なってしまい、ご挨拶などしておりまして、中に入った時には質疑中でした。稲見先生はカイロプラクターとしては稀な恵まれた環境で研究をされている先生で、今回は昨年の発表の続編でした。カイロ施術後の脳内での糖代謝の増減を観るというもの。つまり脳の中のどこが活性化したり沈静化したりしているかを観察しておられます。これを機能神経学的なアプローチに絡めて計測して頂けると面白いと思うのですが、そのあたりは今後に期待したいところです。
次は安達先生。カイロプラクターであり、皮膚科のドクターです。今回は土井先生同様、私が頼み込んで発表していただきました(安達先生、ありがとうございました)。ファイルが重くなるほど膨大な写真の数々を用いて足部の皮膚(爪含む)病変と足の構造との関係性を解説していただきました。巻き爪との関係など大変勉強になりました。安達先生の発表、参加者からはとても好評で、後日私のところへいくつか問い合わせが来たくらいです。安達先生、またの発表を期待しております!
3題目は、サレジオ高等工業専門学校の専攻科生、今村君の発表。学会副会長で同校教授である大藤先生の教え子であり、お父様は私の先輩でPAACの講師。この研究で面白いのは、施術後は筋力が低下してしまうというところ。Oリングテストや筋力を指標とした施術を行う方にとってはまずいデータです(笑)。まあ単純な筋力と筋の反応性などは違うようですので、単純にこれで判断してはいけないようです。が、そのあたりの関係がどうなっているのかは気になるところ。
で、今回の学術大会後に、次の発表者である中川先生が今後そうした研究を行ってくれるようなことをうっかり口走っていましたので、次回期待しましょう。
その中川先生の発表ですが、これはもう相当なデータが蓄積されていることと思われる「股関節マイクロ牽引法の効果」に関する発表です。今回は筋硬度。ここでもやはり「マイクロ牽引」の効果がはっきりと確認されました。こうして地道に研究を重ねることで、牽引療法に対する医療界の認識も確実に変わっていくものと思われます。今後も筋力との関係性なども含めて(笑)、継続的に研究していただきたいと思います。
さて、これですべてのプログラムは終了です。
ここまでお付き合いいただけた読者がどのくらいいるのかは定かではありませんが、徒手医学会の豊富な講演内容が少しでも伝わりましたら幸いです。
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