患者さんとは長いお付き合いになることが少なくありません。
症状が改善された後も、時折メンテナンスに来られる方が多いからです。
有難いことです。
一回の施術も短時間ではありませんから、それなりに長い時間を患者さんと共有することになります。
そんな中で、施術の反応や身体の驚くべき仕組みだけではなく、私は多くのことを患者さんから学びながらこの仕事を続けてきました。
時には患者さんの生き方や考え方に感化されることもあります。
間違いなく、私という人間は、この仕事によって作られてきたのです。
この仕事は決して楽な仕事とは思いませんし、良いことばかりでありません。
時にはやめたいと思うことも、いまだにあります。
結果が100%ではない以上、仕事に対して真剣に向き合えば向き合うほど、これは仕方のないことだと諦めています。
しかし嫌なことばかりでは、もちろん仕事は続けられません。
冷静にみれば、良いことの方が多いのだと思います。
その一つが、そしてこの仕事の大きな魅力が、素晴らしい出会いです。
そういう意味では、私は割と出会いに恵まれている方で、患者さんの中には(主催する塾生にも)魅力的な方が大勢います。
この方も、私に影響を与えた患者さんの一人です。
「フォトグラフィック・オフィスForest 」を主宰されている松村誠さん。
松村さんが当院にはじめて来られたのは、もう10年近く前のことです。
もともと写真家の松村さんは、当時は八ヶ岳の麓にある教会の牧師さんをされていて、それから今日まで、たま~に、ふら~りと、そしてそれはひどい状態で、来院されます(笑)。
現在パートナーとして活動されている歌語りの山本晴美さんを紹介してくれたのも松村さんでした。
うちへ来られた頃の松村さんは大変つらい経験をされているさなかでしたが、だからこそ、私は松村さんの純粋な内面に触れることが出来たように思っています。
私にとっても、それはとても貴重な経験でした。
私には松村さんの世界観など表現できませんので、作品をご覧いただき、そして松村さんの仕事に対する理念などにも触れていただいて、それぞれに何かを感じ取っていただければ幸いです。
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