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この自転車は、長男のものです。
3年間、往復20キロ弱の道のりを高校へと一緒に通った相棒です。
これは入学時に量販店で購入した安物のクロスバイクで、これまで何度も故障して、その都度修理を重ねてきたものです。
修理にかかった費用を合計すれば、同程度か、もっと高級な自転車に乗り換えられたかもしれません。
それくらい頻繁に修理をしました。
これまでに何度か「新しい自転車が欲しい」「もっと軽快なのが欲しい」と遠慮がちに要求されましたが、今日まで乗らせてきたものです。
先日も「ブレーキが壊れた」といって帰ってきました。
リアブレーキのアウターケーブルがエンドキャップの部分で折れ曲り、ワイヤーの滑りが悪くなっていて、ブレーキが戻らない状態でした。
すぐにアマゾンで部品を注文しました。
翌日修理をしながら、ふと思いました。
長男がこの自転車で高校へ行くのも、あと何回だろうと。
そして自転車を眺めました。
フレームとハンドル、ペダルなどは購入時のものですが、その他はほとんど交換しているので、なんちゃってオリジナル自転車です。
ホイルとタイヤはロードバイク用、リアのスプロケットは8段のものに換装し、シフターもそれに合わせてグリップ式からレバー式へと交換しました。
ボロボロになったサドルも新しいものに変えています。
泥除けも前後とも交換しました。
ライトもLEDの明るいものに変えています。
ブレーキシューとグリップは、何度換えたか覚えていません。
購入時に比べたら、多少は快適な仕様になっていると思います。
もちろんかなり傷んではいますが・・・。
この自転車には、忘れがたいシーンがあります。
山梨は起伏のある地形で、高校へ行くには、そこそこきつい坂を一つ超えていきます。
真夏のある日に、たまたま車で外出していた時、その坂の途中に、部活へ向かう長男の姿を見つけました。
なんてことはない光景ですが、息子の外での様子というものはなかなか見る機会がありませんから、私にとっては新鮮な光景でした。
その日はとても暑い日でした。
信号待ちの長男が、首にかけたタオルで顔の汗をぬぐっていました。
遠目にも、ワイシャツに汗が滲んでいるのが分かりました。
そこは学校までまだかなり長い距離を残す場所でした。
普段長男は、あまり不平を口にしません。
3年間、自転車通学がきつい、と言ったことは一度もありません。
私はその時、この暑さの中、この距離、この坂を毎日自転車で通うのはきついだろうな、と感じました。
私にとっても愛着のある自転車を見ながら、また感傷的な気持ちになりました。
3年間、暑い日も寒い日も、雨の日も風の日も、無事に長男を送り届けてくれてありがとう、という気持ちを込めて修理をしました。
巣立ちの日が、確実に近づいています。
本日、長男は大学入試に行っています。
そろそろ終わったころだと思います。
受かるといいなぁ。
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